82年生まれ、キム・ジヨン【韓国映画レビュー】
韓国で130万部越えで売れた本、そして映画も大反響があった
82年生まれ、キム・ジヨンが全国で10月9日からついに公開されました!
実力派俳優チョン・ユミ×コン・ユ共演の作品です。
あらすじ
主人公のキム・ジヨンは結婚・出産を機に仕事を辞し、専業主婦として家事と育児に奮闘する日々を送っている。そんなある日、何者かに憑依したような行動を見せるようになります。社会に対する女性としての葛藤、また自分自身との戦いを描いた作品です。
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私は公開翌日にレイトショーとして見に行ってきたので、
今回は映画のレビューをしたいと思います!
ちなみに私は99年生まれです(笑)とある99年生まれ目線のレビューとなります。
女性受け・韓国受けしそうな映画
この映画は性別でいえば女性、ストーリー的には韓国で受けそうな映画との印象を受けました。というのも主人公が女性であり、半生を描いている作品となるので等身大として受け取る女性も多いのではないかと思います。
この映画では社会に蔓延るジェンダー問題を描写しているシーンが多いです。
主人公のように結婚・出産を機に仕事を辞める女性、いくら能力があっても昇進できない女性、育休取得を咎められる男性など、日本でも韓国でもまた他の国でも問題となっているジェンダー差を取り上げています。
この映画を見ていると、女性としての生きずらさを感じました。女性であるせいで仕事・結婚・育児に関する社会からの理想やプレッシャーに耐えなければならない。そのようなメッセージを感じ取りました。もちろん男性にもプレッシャーはありますが、見て比べてみると差は歴然でした。
ここで面白いなと思ったのは、キム・ジヨンは82年生まれであることです。
劇中ではキム・ジヨンが何歳なのかは語られていませんでしたが、劇中の部分部分のシーンや子供が2歳であったので大体の年代は想像がつきます。
近年は世界でのフェミニズム・男女平等運動の影響もあり、現在進行形で女性の社会における地位は向上しています。もしキム・ジヨンが82年生まれ以降(例えば90年)であれば、話は変わっているでしょう。まだまだ性差があることは確かですが。
2019年の世界経済フォーラム(WEF)によると、日本の男女平等指数 は121位、韓国は108位でした。両国でまだまだ男女平等は国際的に遅れています。韓国では近年フェミニズムブームが起こっている影響もありか、この映画が高く評価されたのではないでしょうか。
もしこの原作が日本であれば、果たしてヒットしたのでしょうか?
日本でも本が10万部以上売れており大ヒットとなっていますが、これは韓国の成功あってこその話題性の影響もあるのではないでしょうか。
そう考えると、日本よりも韓国で出版されて良かったなと思います。
(もちろん原作者が韓国人の方なので当たり前ですが)
印象深かったシーン
劇中では、キム・ジヨンの子供時代の回想シーンが多くありました。
その中で、姉と二人で世界地図に向けて行きたいところに印をつけるシーンがありました。
その時、キム・ジヨン本人はアメリカにつけていましたが、姉がスウェーデン・フィンランド・デンマークに印をつけていたのです。理由を聞かれると「韓国人が少ないから」と答えていたのが面白いなと思いました。
実を言うと私も行きたい国を聞かれると大体北欧の国を答えたり、日本人が少ないところに行きたいと願うことが多いです。あくまでも想像ですが北欧の国を選んだのは、「韓国人が少なく、男女平等で幸福度が高いイメージである北欧に行けば、今よりも生きやすいのではないか」と子供ながらに考えたのではないかと思います。共感するシーンでした。
キム・ジヨンが育った家庭は母親が自身の経験からなのか当時の社会に比べると男女平等に関して寛容でした。家庭内においても母親と父親の価値観の差、この家庭と社会のコントラスト、また姉とキム・ジヨンも考えは似ながらも性格の差などが見られたので面白かったです。
仕事(フルタイム)の大切さ
私は大学三年生なので、早い人は前から遅い人でも半年以内には本格的な就職活動を始めることが一般的です。私は仕事とはなんだろうかと自問自答する日々を繰り返しています。
そんな中、この映画では、キム・ジヨンは仕事を自分の人生においてとても大切にしている印象を受けました。結婚・出産後、そんな軸を失われた姿は抜け殻のように見えることもありました。対照的に仕事に関するシーンは笑顔が多かった気がします。
正直、「そんなに働くことは楽しいのか?」と思うこともありました。しかし、これは私にとっては働いてみないとわからないことだと思います。
よくジェンダーにおける差も働き始めなければ気づかないと言う話も聞くので、やはり大人の女性に共感されやすい作品ではないのでしょうか。
まとめ
82年生まれ、キム・ジヨン
全体を通して、考えさせられることが多い作品でした。
韓国人の友達に聞くと、本と映画共にとても泣いたと言っていたので私も身構えていましたが、泣くポイントは個人的には無かったです。しかし、周りでは泣いている人も見られました。
私もまた本を読んで見たいと思います。
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まだまだ始まったばっかりなので、これからより話題になるでしょう!
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